ワンチャイ+金庸+その周辺、中華武侠スキ日記☆ since 2007.05.25.
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明〈デジタル・リマスター版〉 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明〈デジタル・リマスター版〉
リー・リンチェイ、ユン・ピョウ 他 (2004/11/25)
ジェネオン エンタテインメント

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[story]
 中国は清朝末期。広東省の沸山に、黄飛鴻という青年がいた。
黄飛鴻は沸山に寳芝林という診療所を営む年若い医師であったが、寳芝林は同時に武術道場でもあり、彼の名は中国屈指の武術家としても広く知られている。南方沿岸にて軍隊の武術教官をもつとめていた飛鴻は、ある時、朝廷から海外への派遣を命じられた劉将軍より、将軍配下にあった黒旗軍を預かるよう頼まれ、彼らを民兵団として統率することになる。
その頃、道場にはフーという青年が飛鴻のもとへ弟子入りを求めてやってきた。また、時同じくして飛鴻の叔母である十三姨が海外留学から戻り帰国。飛鴻は彼女と寳芝林で一緒に暮らすことに。
ある日、港で働く中国人が外国籍の船から撃たれて重傷を負い、飛鴻のもとに担ぎ込まれた。中国沿岸に租界を置く諸外国に対し、町医者として陳情を求めに向かう飛鴻。しかしその最中、飛鴻のもとへの弟子入りを望みながら港の芝居小屋で働いていた青年フーが、沿岸部一帯を取り仕切るヤクザ者たちと乱闘騒動を起こしてしまい、飛鴻の民兵団を巻き込んで租界地をメチャクチャにしてしまう。飛鴻は民兵団の統率者としてその責任を負わされることになり……

[comment]
師父との運命の出会いであります……! ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ! 
うあー、ぐあー、なんかこう……こう……せっかくの布教活動の一環として、ものすっごいレビューが書けたなら! とか思うんですがこの作品を見たあとのこの衝撃をどう表現したらいいものか!
黄飛鴻ですよ……ウォン・フェイフォン!(わからねえよ)
その生き様、その戦い。真に強いとはこういうことだ! そして真の強さとはこういうことだ! かっこいいとはこういうことだーっ!
ハァハァ。

黄飛鴻を黄飛鴻たらしめる重要な要素。この作品におけるジェット・リーの超絶アクション! については、もういまさら何をどうこうと言うまでもないことだろうとも思うんですが……なにはともあれとにもかくにも美しい!
スゴいのは確かにスゴいんです。ほんとにまったくスゴいんです(なにが)。しかしなにかそういう言葉で表現できるスゴさとはそもそもひと味、次元が違う!
管理人の定義としては、いわばカンフーファイトとは、怒りなり憎悪なりといった戦いへの原動力になる感情を剥き出しにして、必死の形相で汗まみれになりながらおたけびをあげてぶつかり合う漢同士の肉弾戦。あつくるしい、むさくるしい、いたいたしい!(+無駄に脱ぐ)といったようなイメージも少なからずありました。
……違います。黄飛鴻は、何か違う生物です。
まさに華麗。まさに無敵。まさに最強。相手の拳が擦るどころか指一本すら触れさせぬまま、怜悧な表情を少しも変えず群がる敵をいとも涼しげに薙ぎ倒す薙ぎ倒す。しかも動作のひとつひとつが本当に早くて、目で追えない!!!!!
それでいながら舞踏のごとく、繰り出される手足の動きは優雅だし、それ以前に師父から感じるとてつもない品格というか気品は一体何なんですか!?
人のからだがこんなにも美しく動くのか……! ということをなによりもまず思い知らされましたが、それに加えて美しいのはアクションだけではないのです。立ち振る舞い、居住まい、ふとした仕草、くべる眼差し、それからあの  裾  さ  ば  き  ……!
いっそ奇蹟です。破壊的です。観てしまったら師父の姿が、もうもうもう、目に焼き付いて離れません!!!!! 

とはいえ、アクションでカンフーで……というだけの作品ではけっしてなく。
西洋帰りの叔母。西洋文化に戸惑いを覚える飛鴻。彼女の姿が象徴するもの。彼女に飛鴻が向ける想い。
あの時代。複雑な背景と重い歴史を背負っていた迷走動乱の中国で、世界の未来を憂いながらも中国人としての誇りを胸に、母国と母国に生きる人々を愛していた。優しさと厳しさをあわせもつ黄飛鴻の高潔な生き様が、切なくも、温かくも、胸に残る作品です。

ああそれから! オープニング! 300人からの教練生を従えての、海岸でのあの演舞! これを語らずしてワンチャイは語れない……!(鼻息)

ワンチャイシリーズ通してで、このシリーズ第1作目が一番好きな作品です。
広東の風景。流れる空気。湿気の重たさ。時代の匂い。
『天地黎明』はそういうものもしっかり濃密に伝わってくる作品で、あの切なげな眼差しで師父が見つめた空と海とを、同じ場所から見つめてみたくなるのです。

医師としての理知的でクールな(いつも無駄にクールだけど)師父もカッコイイですし、イー叔母に仕立ててもらってラストシーンで洋装を身につけたときほんの一瞬チラッと見せる照れたような笑顔には……それまでの飛鴻が生真面目でしかめつらしい表情しかしなかった人物であるだけに腰が砕ける!!!!!(むしろこれがトドメの一撃)

とにかくこの作品を知らずに通り過ぎてしまうというのは大げさでなく人生の損! 見終わった後には、きっと誰もが寶芝林に迎えられた弟子のうちのひとりとして、師父と師弟の契りを交わした気持ちになっているはずです(笑)。

 

05 , 30
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱〈デジタル・リマスター版〉 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱〈デジタル・リマスター版〉
リー・リンチェイ、ロザムンド・クァン 他 (2004/11/25)
ジェネオン エンタテインメント

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[story]
 中国沿岸部の都市、広州。朝廷の対外政策により、欧米諸国が租界を置くようになっていたこの地では、白蓮教を名乗る団体が外国人と西洋文化の排斥を訴えて日夜暴動を繰り返していた。
医学会のため、黄飛鴻は弟子のフーと叔母の十三姨を伴って、そんな状況下にあった広州を訪れる。英国帰りの飛鴻の叔母は、普段から洋装。そのため飛鴻一向は広州につくや否や、白蓮教徒たちの目に留まり、彼らの外国人排斥運動に巻き込まれてしまう。
学会にて通訳を担当するはずだった十三姨が騒ぎで薬を吸わされて倒れてしまい、しかたなく弟子のフーだけをともなって学会に参加した飛鴻。学会参加者には西洋人も多く、通訳がなくては発表は苦しい。そこで飛鴻は孫文と名乗る男に助けられた。
一方、広州提督府。役所は毎日のように白蓮教が起こす暴動への対応におわれていたが、暴動鎮圧の指揮を執るラン提督のもとへある一報が入ってくる。この動乱の最中、清朝打倒の革命を目論む者が蜂起を計画、この広州へ潜伏しているというのだ。
町中に引っきりなしに響く銃声、あちこちで上がる火の手。学会を終えた飛鴻は、一刻も早く沸山へ戻ろうと思うのだか……

[comment]
こういうレビュはあえて誰も書かんだろうがあえてここから。
師父、せめてスプーンを使ってください! 皿持って直接飲んだ! イーさん止めて! 外科受け持つお医者さんでしょ!? そしてこっそり窓から吐いたーッ!?

ワンチャイシリーズ最高傑として、異論のない『天地大乱』でございます。
この作品から弟子のフー役がマックス・モク君(かわいい……!←それは単にお前の趣味だ)にスイッチ。そして師父の行く手を阻むことになるラン提督に、ドニー・イェン。物語の舞台は広州で、絡むのは史実としても有名な孫文の広州蜂起と白蓮教徒の乱。
史実では孫文さんの生誕は黄飛鴻の20年後になるのですが、劇中では広州の医学会で、偶さかお互いほぼ同じ年頃で出会った……という設定であるようです。『天地黎明』で飛鴻28歳(リンチェイも同様)だったことを考えると30歳ぐらい……?(まあこのあとハナシは辛亥革命まで転がってくし、あまつさえ師父なんかさらに何歳か若返っちゃったりいたしますからんなこたどーでもいーんですが)

クンフー映画史上に残る名作。ええそれはもっともです。
んが。冒頭での食堂車のシーンにはじまって、イーさんに武術を教えようとしてみたり、勢い着替えをのぞいちゃったり、イーさんとフーとの仲を誤解して動揺してしまったり、イーさんに告白(?)されてみたりと、師父が、師父が……っ!(笑)
いつでも全力で真面目なお人柄なんですよねえ。そこが魅力なわけですが(笑)。
そして師父のお供をして歩くようになった、弟子フー君とのかけあいも最高です。

言うまでもないことですが武術家としての師父も健在(健在どころか)。今回も(というより本作こそ)黄飛鴻は鬼強です。
「何者だ!」と名を問われ、扇子をひらひらさせながら、実に不敵に「佛山の黄飛鴻!」
誇らしげに名乗ってくださるシーンからして、うおおおお! も、鳥肌が立つってもんですよ(この人、呼ぶと人の頭を踏ん付けながらすっとんで来るし)。
白蓮教クン大師、ラン提督と黄飛鴻との対決は、あれこれ言うよりとにかく観とけ! としかいいようのない代物です。
凄まじすぎて素人目にはもはや何がなにやらわかりません。しかしえらく凄まじい立ち回りが展開されている……! ということだけは問答無用でわかります。
大師を演じる熊さんはリンチェイ本人のスタントも担当されてきた方なのだそうで。んで、ドニー提督は実際武術学校でリンチェイと兄弟弟子の関係にあった方。各々最高レベルのアクションであることはもちろんのことながら、息のあいかたひとつからして異次元すぎ。 

そしてやっぱり師父強し。師父は師傅で無茶苦茶です。
そもそも黄飛鴻の辞書には、「ピンチになる」という言葉自体が存在していないのです。

最後に飛鴻と相対することとなった、ラン提督。
彼は飛鴻を正義と位置付けて対となる悪役という配置ではなかったのだろうと思います。その時代のその時に、望むと望まざるとに関わらず、その立場に立っていたらか向かい合ってしまったから、ぶつかりあわなくてはならなかった。ラン提督が最後に延べた手の平で掴もうとしていたものは、かたちは違えどもきっと飛鴻と同じものだったのでは。
提督の言葉の通り、どちらかが生きるためにはどちらかを殺してでも道を開かねば進めない。命ある限り退くことは出来ない。

青天白日旗は台湾国旗。
ラストシーン、それに気がつくのに少しかかってしまいました(恥)。
孫文さんにまつわる史実を復習してから観ることも、この作品ではオススメします。

 

05 , 30
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地争覇〈デジタル・リマスター版〉 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地争覇〈デジタル・リマスター版〉
リー・リンチェイ、ロザムンド・クァン 他 (2004/11/25)
ジェネオン エンタテインメント

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[story]
 血はつながっていないものの、自身の叔母である十三姨と結婚することを決めた黄飛鴻。
彼女との結婚の許しを得るため、飛鴻は、十三姨、弟子のフーと一緒に父のいる北京は広東会館へとやってくる。
北京では、西太后の側近である李鴻章の発案により、獅子舞によって互いの武術を競わせる武術大会が開催されようとしていた。飛鴻の一族は、代々獅子舞の名手である。そのため、飛鴻の父、黄麒英が身を置く北京の広東会館は、武術大会での優勝を勝ち取ろうと目論む対抗組織に襲撃されてしまう。飛鴻が到着したときには、飛鴻の父も怪我を負ってしまっていた。
父のもとを訪れるも、面と向かうと、父の妹にあたる自らの叔母と結婚させて欲しいということを父になかなか切り出せない飛鴻。折しも北京では十三姨の留学先での友人だったというロシア人男性と出会い、飛鴻はその男のことも気になって気が気でない。
北京の街は獅子舞大会の前哨戦と称してあちこちで武術家同士の衝突が絶えず、弟子達にも争い事には加わらぬよう釘を差していた飛鴻だったが、獅子舞大会には否応なく巻き込まれていくことになり……

[comment]
最初に正直いっておきますと、もーおなかいっぱいです。
一生分堪能しました。獅子舞を。
もーいいです。げふー。

これでもか! これでもか! これでもか!
獅子舞!! 獅子舞!! さらに獅子舞!! まだまだ獅子舞ーッ!!!
とりあえず『天地争覇』はそんな映画です(おおむね間違ってはいないはず)(オイコラ)

中国におけるいわゆる南方獅子舞は、そもそも武術と切っても切れない関係にあるものであるようで、飛鴻も獅子舞の名手として獅王の異名をもって称されたとか。その名の通り、あふれる極彩色の獅子たちを容赦なく蹴散らしまくる純白の師父の獅子のお姿は華麗にして圧巻です。刃物を仕込もうが火炎放射器を仕込もうが、師父、知ったこっちゃありません。

今回は自らの叔母であるイーさんと、結婚を決めて父上のもとにやってきた師傅。
しかし気になる外国人男性の影がちらついて、当の本人は獅子舞どころじゃないのです。
馴々しい(笑)西洋式スキンシップ(?)から大事なイーさんを死守防衛しようと奮闘する師父の必死っぷりときた日には! 
カ……カ……カワイすぎます! 師父!(失敬!←無影脚をくらうといいよ)
ヤキモチは焼くし弟子にあたるしモノは壊すし。でも件の外人男トマンスキーからイーさんをさらって逃げ出すことに成功したあの瞬間は、師傅、もっそイイ顔してました(笑)。
ためらいがちにですが、時々「シュークワン」とイーさんに名前で呼びかけたりするようになったところもカワイんです。

どう捕まえようが全然やられてくれないし、罠をかけても逃げちゃうし、後ろから襲ったってぶっ飛ばされる、最強無比なお方なのにね☆ 

それからこのお話で登場となる、鬼脚君。
鬼脚と書いて、『ききゃく』と読むのかなーと思ってたんですが、これ、『おにあし』と読むようです。おにあし。
首を斜めに傾けた、独特の構えがトレードマークの、鬼脚君。
凄まじい足技の使い手で師傅の敵としてあらわれるも、その脚に大怪我を負ってしまって(もとはといえばフーのせいだ)、再起不能かと思われたところを師父に助けられ拾われます。
鬼脚君は怪我をしたせいで仲間に捨てられてしまうわけですが、雨の中ぼろきれのようにうち捨てられて倒れていた鬼脚と、それを見つけて手当てを施し、ずぶぬれになりながらも自分のもとにとどまるようにと説得を試みる師父。
漢だ……! 好漢だ……!
ほんともー、こういうとこが格好いいんですな、師父は。
誠意も優しさも人一倍。その示し方は公明正大でがっつり真っ直ぐ、真剣ぶっつけ体当たりな黄飛鴻。そりゃあ懐きます。頭を垂れます。垂れたくなります。破壊力抜群の正攻法。

そして鬼脚君は、素直で大変よい弟子です(ほろり)。

本当にもう、もう食べられません! というぐらいに獅子舞特盛り! な本作ですが、ラストシーンはものすごく爽快です。
おおおおおお、かっこいいぜ! それでこそ師父! 目ぇ釘付け、鳥肌モノの天下無双。どこまでいっても寒気がするほど格好いい……!!!!!
そんな師父のお姿を、まだまだ布教! まだまだ獅子舞!(それはもういい) 鋭意せねばと管理人は思うのでした(笑)。

あっ。
そういえば李鴻章の暗殺事件とかが話の主軸だったんですが! ……ま、いっか。